アフリカにおけるストリーミング市場はショ―マックス、ネットフリックス、そしてアマゾンプライムで顧客獲得競争が激しくなっていましたが、1月19日に米誌のバラエティはアマゾンプライムのアフリカ事業縮小を報じました。
同誌の報道によると、Amazon Prime Videoはアフリカと中東の事業を縮小し、両地域での人員削減とオリジナル作品の作成に関する契約を停止するだろうとしています。
テックランチによれば、プライムビデオ・ヨーロッパのバリー・ファーロン副社長は顧客のニーズにしたがって経営資源を配分するために事業を見直すために再編が必要なため、運営モデルを調整したと述べています。特に、欧州市場に手厚い資源配分を行う狙いがあるようです。
アマゾンプライムの路線変更
アフリカ市場におけるアマゾンプライムの基本戦略は競合する二社と同様に、現地プロダクションと複数年のライセンス契約を結び、アフリカ最大の動画ストリーミング会社になることでした。具体的にはナイジェリアと南アにチームを設立し、アフリカ市場に注力する構えを見せていました。
特にアフリカ最大の人口を抱えるナイジェリアでは、入念な市場調査の後、2022年8月から同社がローカライズしたサービスである「プライムビデオ・ナイジャ」を開始し、毎月2300ナイラ(約380円)と他社よりも低額でサブスクリプションを提供するほど注力していました。
しかし、今回の事業縮小に伴い、アフリカ最大の動画ストリーミング会社となることは叶わず、競合他社に事実上、競り負ける形となりました。
アフリカ市場における競合他社の動向
昨年8月に発行されたデジタルTVリサーチ社のレポートによれば、アフリカのストリーミング大手のサブスクリプション加入者数は、ネットフリックスが740万人、ショーマックスが440万人、そしてアマゾンプライムが314万人と予測されています。
ネットフリックスの中東・アフリカ地域コンテンツ担当副社長であるベン・アマダスン氏は昨年10月のインタビューで、2016年に市場に参入して以来、アフリカでの成長は優先事項となっており、アフリカからの発信はアフリカ大陸だけでなく、それ以外の地域でも大きな影響力を持つことを実感していると答えています。
ショーマックスは現在、サハラ以南のアフリカ50カ国で事業を展開しています。南アフリカ、ナイジェリア、ケニア、ガーナにオフィスを構え、過去30年間でアフリカ最大のコンテンツ制作会社として年間6500時間のコンテンツを制作しています。
ショーマックスのマーク・ジュリーCEOはこのコンテンツ時間について、今後3年間で倍増するだろうと語っており、現地コンテンツ制作に更に注力する意向を示しています。
事業縮小により、アマゾンプライムがアフリカ市場で存在感を低下させることが避けられない中、アマゾンプライムから自社にサブスクリプション契約者を乗り換えるユーザー獲得に向け、この二社による競争は一層熾烈になる可能性が高いでしょう。
アフリカ市場で覇権を握るストリーミング会社はどこになるのか、今後も注目です!
(イメージ画像はUnsplashより。©Jonas Leupe)
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