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アフリカ投資フォーラムが閉幕、三日間で5兆円超えの投資意欲を確認

更新日:2023年11月29日

モロッコのマラケシュで開催されたアフリカ投資フォーラムが11月10日に閉幕した。今年は「アフリカのバリューチェーンの開放(Unlocking Africa's Value Chains)」をテーマに掲げ、60カ国以上から1,000人以上、日本企業は50社程度が参加した。


フォーラムが開催された三日間で348億2000万ドル(約5兆2800億円)の投資意欲が確認された。


タンザニアの鉄道プロジェクトやザンジバルの港プロジェクトなどの大型プロジェクトについて交渉があったほか、農業、再生可能エネルギー、クリエイティブ産業、ヘルスケア分野でも商談が進められた。


高まる地政学的緊張


モロッコ国王のモハメッド6世は開会辞で、アフリカが地政学的緊張や経済的課題に直面しており、外生的なショックの影響から解放されるためには民間投資が必要であると強調した。


同国王はさらに、債務の増加や金利、インフレの上昇によりアフリカ諸国の行動範囲が狭まる中、民間セクターの役割が重要であると述べた。


アフリカ開発銀行のアキンウミ・アデシナ総裁も同様に、地政学的緊張が高まり、不確実性が増す中での投資フォーラム開催の意義を強調した。


同総裁はアフリカ経済の成長率が世界平均を上回り、若者の労働力が魅力的な投資機会を提供すると述べ、2050年までにアフリカが世界人口の25%を占める可能性があるとした。


戦略的鉱物に関するパネルセッションにおいては、リチウムやコバルトといったレアアースや貴重資源の輸出を制限し、アフリカで製造を可能にすべきという論調が目立った。


この背景には最新テクノロジーを用いた製品にはこれら戦略的鉱物を用いることが必要不可欠であるため、各国は資源確保に注力しており、需要が高まっていることがある。


パネリスト等は付加価値のない戦略的鉱物の輸出を禁止したタンザニアや、ニッケルの輸出を禁止したインドネシアが13のニッケル鉱石精錬所を国内に設立した例を挙げ、域内での付加価値向上を求めた。


不安定化が進む中で存在感増すアフリカ


21世紀初頭に始まった急速な経済成長をきっかけに、アフリカの存在感は年々増している。一時期は「希望の大陸」やラストフロンティア(最後の市場)といった経済的機会からもてはやされていたが、近年では地政学や軍事側面からも存在感を高めている。


直近ではロシアがウクライナ戦争を開始したり、米中衝突の現実味が増し、イスラエル・ハマス間の紛争が勃発する等、グローバルで不安定化が進んでいる。


そうした中、最新技術を搭載した機器を製造するためには元となる資源確保が重要であり、何より石油を始めとしたエネルギー資源の調達を多様化しなければ、ショックに耐え得ることができない。


日本でもアフリカを含むグローバルサウスとの連帯が重要視されるようになっており、アフリカへの関わりは官民ともに、これからさらに強まると想定される。




(イメージ画像はO-DANより。©Ralphs_Fotos


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