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執筆者の写真長谷川 将士

アフリカで電気が高い国、安い国

アフリカ地域はアジアに次いで経済成長が著しく、人口増や希少資源の開発など、今後の成長ポテンシャルが大きいことで注目されています。


しかし、広大な土地をカバーするためのインフラ建設は未だ不十分で、特に電力をいかに供給するかという難題があります。UNCTAD(国際連合貿易開発会議)によれば、未だアフリカにすむ半数以上の人々は電力にアクセスできていないと推計しています。


また、南アやナイジェリアといった経済大国ですら十分な電力を安定的に供給することが困難であり、アフリカにおける電力セクターは依然として解決しなければならない課題に直面しています。


今後、電力不足が経済成長を阻む障害となり得るだけに、最近はEUがグローバルゲートウェイ構想の下、再生可能エネルギーを用いた発電プロジェクトをアフリカで推進しようとしています。


増加する電力需要


Yahoo Financeによると、世界の電力市場は現在1兆9400億ドル以上で、2032年には3兆9000億ドルに達すると予測されています。


これは、人口増加に加え、工業、住宅、商業部門の消費電力増加によるものです。特にアフリカでは世界で最も人口増加のペースが早く、未だに電力にアクセスしていない人口も多いため、潜在的な電力需要は計り知れません。


そのため、程度の差はあれ、各国とも発電事業に注力しています。有名なところでは、ケニアが地熱発電に注力しており、富士電機や三菱日立パワーシステムズ等が開発に注力してきました。


また、九州大学大学院では1970年から国際地熱研修コースを設け、ケニアを含む世界各国から研修生を受け入れ、地熱開発の人材育成に関わり続けています。これは、日本の官民連携が奏功している事例といっていいでしょう。


日本の協力もあり、ケニアでは総発電比率の9割が再生可能エネルギーという、世界でも珍しい「再エネ先進国」となっています。


気になる各国の電気料金


世界的に見れば、アフリカは比較的安価な電力料金を誇っていますが、家庭の収入に比べれば相対的に高い地域もまだ存在します。また、十分な電力供給が行われていない地域もあり、毎週停電が起こるといった国や地域も珍しくはないでしょう。


以下では、Global Petrol Pricesのリスト(2023年3月付け)に準拠して、各国の家庭用電気料金が高い順で並べています。


左から、アフリカ諸国における順位、国名、電気料金(キロワット時)、世界順位となります。


<アフリカの各国家庭用電気料金(最も高い国から)>


1.カボベルデ、 0.316ドル 、20位

2.マリ、0.219ドル、 37位

3.ルワンダ、0.207ドル、 42位

4.ブルキナファソ、0.206ドル、 43位

5.ガボン、0.205ドル、 44位

6.トーゴ、0.194ドル、 48位

7.セネガル、0.183ドル、 52位

8.ケニア、0.172ドル、 56位

9.ウガンダ、0.170ドル、 58位

10.シエラレオネ、0.155ドル、 65位


10か国中7カ国がアフリカ西部の国という結果となりました。また、自国で埋蔵する化石燃料資源が乏しかったり、資源開発が途上の国が多いという特徴があります。


次に、家庭用電気料金が低い順からみてみましょう。


左から、アフリカ諸国における順位、国名、電気料金(キロワット時)、世界順位となります。


<アフリカの各国家庭用電気料金(最も低い国から)>


1.エチオピア、 0.006ドル、3位

2.スーダン、0.008ドル、4位

3.リビア、0.008ドル、5位

4.アンゴラ、0.014ドル、7位

5.ジンバブエ、0.015ドル、9位

6.ザンビア、0.024ドル、13位

7.ナイジェリア、0.028ドル、16位

8.エジプト、0.029ドル、18位

9.アルジェリア、0.040ドル、23位

10.コンゴ民主共和国、0.063ドル、38位


こちらは見事に原油産出国が並んでいます。特に、上位陣は世界ランクで見ても家庭用電気料金が安いという特徴があります。


電気料金が安ければ、それだけ人々の生活が楽になったり、可処分所得が増える可能性が有ります。


今後、再生可能エネルギー発電が推進される中で、どのように電気料金が変動するかに注目です。




(イメージ画像はUnsplashより。©Christian Dubovan


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