フォーブスの「世界で最も働きがいのある会社」は、多国籍企業の従業員に対して調査を実施し、雇用主を評価するランキングです。
10月に発表された2023年度のランキングでは、1位にサムスン、続いてマイクロソフト、アルファベット等、主に米国企業が高く評価されました。
日本企業ではホンダが22位で最も高く、ソニー(23位)、いすゞ自動車(88位)が続きます。
ランキング作成にあたり、フォーブスは市場調査会社のスタティスタ(Statista)と提携し、55国から従業員17万人以上を対象にこのリストを作成しました。
回答者は、自分の会社を家族や友人に薦めるかどうか、ワークライフバランス、キャリアアップの機会、従業員の多様性などの基準に基づいて回答し、自分の業界や国の企業も評価します。
最終的には43カ国から上位700社がランキングに選ばれましたが、本記事では同ランキングからアフリカを拠点とする企業をリストアップしました。
トヨタを超えたのはあの企業!
ランキングに含まれた700社の中から、アフリカの企業をみていきましょう。項目は左から、順位、企業名、分野、拠点国、従業員数を示しています。
分野に関してはリストに準拠しつつ、より分かりやすくするため一部修正しています。
<アフリカにおける2023年世界で最も働きがいのある会社ランキング入り企業>
103位 アブサ銀行、銀行&金融サービス、南ア、35,451名
130位 スタンダード銀行グループ 銀行&金融サービス、南ア、49,325名
164位 サファリコム 通信&金融サービス、ケニア、5,500名
395位 MTNグループ 通信サービス、南ア、19,295名
405位、ネド銀行 銀行&金融サービス、南ア、25,924名
652位 メディクリニック・インターナショナル ヘルスケア、南ア、37,000名
667位 サソル 建設&エネルギー、南ア、28,630名
ランキング入りした7社中、6社が南ア企業となりました。特に、アブサ銀行はなんとトヨタ(104位)よりも上位です。南ア企業の実力の高さがうかがえますね。
また、金融や通信など、多国展開が比較的しやすい分野でランキング入りする企業が多くあります。
エチオピア進出で話題を集める、ケニアのサファリコムも健闘しており、資生堂(168位)よりも上位にきています。
域内統合でさらにランキング入り?
今回はランキングで選ばれたアフリカ企業に注目していますが、そもそもリスト作成段階で漏れている国や企業は数多くあるでしょう。
というのも、本ランキングはフォーブスが選んだ『55ヵ国』という基準で選出したにすぎず、これらの国名や選定基準について説明されていません。
現在、アフリカでは域内における自由貿易を実現させる制度の「アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)」の運用が進みつつあります。アフリカは世界で最多の内陸国を抱え、同時に隣接国も数多くあります。
アフリカ大陸自由貿易圏が本格的に運用された場合、域内で多国展開がより活発になり、これまで注目されにくかったアフリカの実力ある企業が、フォーブスといった有名なランキングで目にする可能性が高まるでしょう。
域内統合により、さらに存在感を発揮するアフリカ企業に注目です!
(イメージ画像はPIXABAYより。©Ben_Kerckx)
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