2025年1月時点で、アフリカには9つのユニコーン企業が存在しており、その多くがフィンテック分野に集中している。
特に2024年にはMoniepoint(ナイジェリア)とTyme(南アフリカ)が新たにユニコーンの仲間入りを果たし、アフリカのスタートアップ市場の成長を示す象徴的な出来事となった。
アフリカのユニコーン企業とは?

ユニコーン企業とは、未上場ながら企業価値が10億ドル以上に達したスタートアップを指す。アフリカでは、金融インフラの未整備や経済格差を背景に、フィンテック企業が成長の中心となっている。
代表的なユニコーン企業には、以下のような企業がある。
Interswitch(ナイジェリア):デジタル決済・金融インフラ提供企業
Flutterwave(ナイジェリア):グローバル決済インフラ企業
OPay(ナイジェリア):デジタルバンクおよび送金サービス
Wave(セネガル):低手数料モバイルマネーサービス
Andela(ナイジェリア):ソフトウェア開発者向けのグローバルプラットフォーム
Chipper Cash(ガーナ):アフリカ・米国向けの国際送金フィンテック
MNT-Halan(エジプト):金融包摂を促進するフィンテック企業
Moniepoint(ナイジェリア):企業向けデジタル決済ソリューション
Tyme(南アフリカ):デジタルバンキングプラットフォーム
2024年の資金調達環境

2021年・2022年のピーク時と比較すると、アフリカのスタートアップの資金調達額は減少傾向にある。2024年のVC(ベンチャーキャピタル)資金調達額は前年比7%減の32億ドルにとどまった。
しかし、フィンテック分野を中心に依然として大規模な投資が行われている。
特に、モバイルマネーやデジタル決済サービスへの需要が高まり、これらの分野に関連する企業は比較的安定した資金調達を続けている。
次のユニコーン候補(Soonicorns)

現在、ユニコーンには達していないものの、今後10億ドル以上の評価額に達すると見られるスタートアップも数多く存在する。
2025年1月には、アフリカのスタートアップ投資額が前年同月比で3.5倍に増加し、2億8900万ドルに達した。以下のスタートアップが特に有望視されている。
エネルギー分野:PowerGen(5,000万ドル以上の調達)、Sun King、M-Kopa、d.light
フィンテック分野:LemFi(5,300万ドル調達)、Jumo、PalmPay、Yoco、Kuda
インシュアテック分野:Naked(3,800万ドルのシリーズB調達)
エドテック分野:Enko Education(2,400万ドル調達)
モビリティ分野:Moove、Yassir、Planet 42
リテール分野:WasokoとMaxABの合併企業、TradeDepot
今後の展望
アフリカのユニコーン企業の多くはフィンテック分野に属しているが、今後はヘルステック、アグリテック、クリーンエネルギー分野でもユニコーン企業の誕生が期待されている。
特にエチオピアやガーナなどの新興市場において、スタートアップの成長が加速すると予測される。
世界的な資金調達環境の変化により、投資家はより慎重な姿勢を取るようになっているが、成長可能性の高い企業への投資は引き続き行われている。今後もアフリカのスタートアップエコシステムは進化を続け、世界的な投資家の関心を集めることが予想される。
本記事の詳細は代表ブログ『2024年のアフリカ・ユニコーン最新動向と次に来るスタートアップ!』にて解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
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