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執筆者の写真長谷川 将士

M-KOPAが南アでパイロット事業を開始、モバイルマネー普及も追い風

今年5月に住友商事が3650万ドルの追加出資をしたことが話題に新しいM-KOPAですが、アフリカ諸国への多国展開を加速しています。


2021年にガーナでパイロット事業を開始後、スマートホン向け融資を展開。4万3000人以上の顧客を獲得し、代理店を2000店まで増やすことに成功しました。


また、ノキアやサムスンと提携し、10万台以上のスマートホンの試験販売に完了。今月5日にはガーナで正式に事業展開を開始すると発表しました。


ガーナでのパイロット事業の成功を受けてか、昨月22日に南アでのパイロット事業を開始することがメディアで報じられました。


ソーラー機器販売からの進化


M-KOPAは元々、東アフリカでソーラーパネルや照明、テレビといった関連機器の販売から事業を始めました。


今では広く知られているpay-as-you-go(使ったら使った分だけ料金を支払う)モデルのパイオニアとして注目を集め、手元に資金がない農村部の人々でも電気にアクセスできるようにした事業モデルは当時画期的なものでした。


現在ではソーラーパネル関連機器に留まらず、スマートホンや電動バイクを販売し、多くの人々にインターネットへのアクセスを可能にしたり、環境面で負荷が小さい商品を提供しているとして、事業は更なる付加価値を得ています。


南アでの事業展開の展望


M-KOPAは南アでもこれまでの成功モデルを活用し、地元の小売業者や流通業者と協力し、低所得世帯にスマート機器を提供する予定です。対象はアパルトヘイトの象徴的な地域で、旧黒人居住区としては最大のソウェトで事業を展開すると報じられています。


ソウェトは82平方キロの地区に、86万人から300万人が住んでいるといわれています。人口統計に幅がある地域はスラムやインフォーマル地域の特徴の一つです。貧富の差が激しく、電気や水道が通っていない地域もあり、簡素な作りをした長屋が連なっているようです。


ソウェトでの事業開始は戦略的な決断によるもので、同地域が主に中低所得世帯から中所得世帯で構成されており、M-KOPAの製品ラインナップと完全に合致しているためといわれています。


また、南アは経済大国にもかかわらず、発電・配電設備の老朽化とキャパシティ不足により停電が頻発しており、停電に左右されずに使用できるソーラー発電機器の重要性は高いとみられます。


南アのモバイルマネー事情


M-KOPAのpay-as-you-go(使ったら使った分だけ料金を支払う)モデルはモバイルマネーシステムに下支えされています。これは利用者が使用量に応じて少額の料金をM-KOPAに支払う際、いちいち店舗にいって支払うということが非常に手間だからです。


その点、モバイルマネーを利用すれば、いつでもどこでも利用者の都合が良い時に支払いができるため、使い勝手が格段に良くなります。


IMFによると、南アのモバイルマネー登録者数は2020年の302万人から、2022年には821万人へ急増しています。人口が約6000万人であることを考慮すると、まだまだこれから登録者が増える余地はあり、同社にとって好ましい市場へ成長する可能性は大きいでしょう。


M-KOPAは現在約300万人ほどの顧客がいるとみられていますが、ジェシー・ムーアCEOによると、今後数年間で顧客を1000万人以上に増やすという、野心的な目標を掲げています。


メディアによっては、M-KOPAが新たなユニコーン企業になるのではないかという期待も報じられており、今後の成長に注目ですね!




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